New! 学習のアドバイス

生活の中で目盛りや単位に触れさせよう

算数の学習で、簡単そうで意外と難しいのが単位の学習です。その前段階の目盛りの読み方も、子どもはつまずきやすいものです。計りによって2ごとに目盛りが打ってあったり、5ごとに目盛りが打ってあったりし、これがわからないのです。なぜでしょうか。それは使ったことがないからです。

使ったことがないから分からないのですから、分かるようにする近道は、使うことです。それも日常生活の中で触れさせ、体感させることが一番です。例えば料理の手伝い。調味料の重さや量を、計りを使って計る。これだけで液量や重さなどの学習ができるのです。日常からこうしたことを家庭でやっている子は簡単に理解します。特にこれからはデジタル製品が増えてくるでしょう。目盛りを読むことでさえ、あえて意識して体験させることも大切になってくるかもしれませんね。

自動車に乗った時、スピードメーターを読むのが好きな子もいます。もしお子さんがそうであれば、その時に「この40キロというのは、1時間に40キロメートル進むという意味だよ」という風に、子どもの疑問に答えてあげて下さい。高学年になって速さ、時間、距離を学習する時に活きてくるでしょう。また、1キロメートルという長さについても、一度親子で一緒に歩いてみて下さい。子どもは体験することで、正しい距離感覚を身につけ、それを案外覚えているものです。

学習というと、とかく教材を買ったり、ドリルをやったりと、とかく机の上で行うものをイメージしがちです。しかし、生活の中で学習させることは、意外と多くあるものなのです。

文章がうまくなる一番いい方法は日記を書くことです

文章を書くことを得意になる一番いい方法は、書き慣れることです。
書き慣れるとは言っても、作文のように400字詰めの原稿用紙2~3枚程度を書かせるのは子どもに負担が大きすぎ、続きません。
毎日のように二百字程度の日記を書かせるといいでしょう。
文章を書くというのは、経験から作られる能力です。
理屈を言うより、たくさん書かせる方がいいと言えます。

短い作文でも、大切な技術が身につきます。
一番は、主語と述語をきちんと対応させて書けるようになることです。
主語と述語を対応させるということは、慣れないとなかなかできません。
子どもの文章でありがちなのは、「○○して、○○して・・・」と思いつくまま書いていき、いつまでも終わらない文になることです。
そして、何がいいたいのかわからない文です。
短い文章だと、ひとつのテ-マで書くのでそうなりにくいというメリットもあります。

「書くことがない」という悩みを子どもは持っています。
そんな時は、保護者の方が一日の出来事を聞いてあげて下さい。
一日を振り返ることで、いろいろなことを思い出し、意外と心がいろいろなものに反応していたことも思い出すでしょう。
これも毎日続けることで、お話するよう書けるようになってきます。

それでも、どうしても駄目な日もあるでしょう。
そんな時は、「嘘の作文でもいいよ」と声を掛けてあげて下さい。
嘘を書こうとするとイメージが膨らみます。
イメ-ジを膨らませて書くことで、書く楽しさは増すでしょう。
実はこれは小説を書く練習になっているのです。

書き慣れてくれば、もう一工夫してみましょう。
例えば、書き出しを工夫して読み手がより興味を持ってくれるにはどうしたらいいかを決めるのです。
また、段落構成などはパソコンを使って作文練習をすると効果的です。
わかりやすい順番はどういう順番かを考え、それをうまく段落にまとめようとした時、パソコンなら瞬時に段落を入れ換えることができます。

文章の書き方は、とにかくわかりやすく書くというのが基本です。
文学作品と言われるような小説を書く場合は別として、日常私たちが必要としている文章作りの技術は何かの情報や考え方を伝えるものです。
そうなると、凝った文章にするより、わかりやすい単純な文章の方がいいでしょう。
私の師匠の岸本裕史先生には、私が本を書きたいと言ったとき、小学校5年生が読んでわかる程度の文章にしなさいと助言していただきました。

そうなると、文章を単純化して書き、それをうまく接続詞でつないでいくことが基本と言えます。
そして、自分の書いた文章は絶えず自分で読んで、すっと頭に入る流れのいい文章になるようにします。
シンプルなものが読み手としても読みやすいのです。

ただ、コンク-ルなどに出す作文などは比喩などの表現技術が必要になってきます。
これらは、ひとつひとつ学習し、活用する練習も必要です。
このことは、学研から出している「穴埋め作文ドリル」を参考にして下さい。

辞書に親しむためにいろいろな種類の辞書を、いろいろな部屋に置きましょう

辞書活用は、自主的な学びの基礎能力です。
だから、頻繁に活用させたいですね。

私の知人の先生は、子ども達の英語力を伸ばすために、家庭のどの部屋にも英和辞典を置いたと言われていました。
その効果があり、その子たちはすごい英語力がついたそうです。
確かに、使いたいときに辞書がないといけなません。
どの部屋にも辞書があるというのはひとつの工夫といえるでしょう。

また、ある作家はトイレに広辞苑を置いているそうです。
いわゆる辞書読書です。

私も、子どもの頃、一冊あった大きな辞書を抱えて部屋を移動しながら読んだものです。
そうした経験から、わが子を育てるときは、いろいろな図鑑を用意し、いろいろな部屋に置いていました。
学校の授業でも、用語辞典や外来語辞典など、普通使わない辞書を持ち込んで調べさせたことがあります。

辞書を引くのはめんどうですが、慣れてくるとおもしろくなってきます。
言葉を知るというのは、語彙を広げ、表現力を高めることにつながるからです。
普段から調べるためではなく、読書のように辞書にふれる。それが私のお勧めです。

ひとつの辞書に習熟するのもいいですが、こうしていろいろな辞書に親しみ、その解説の違いに気がつくと、また言葉の力は伸びるものです。
そのために、熟語辞典やことわざ辞典なども揃えると、いろいろな説明にふれることができます。
辞書自体は高価なものですが、長く使うことができます。
そういう点では、読書するほどに楽しめれば、とてもお得なものと言えるでしょう。
同様に図鑑なども、小学校低学年のころから楽しめます。
早くからふれさせるといいですね。

家庭学習はリビングで

子ども部屋を作ったけれど、そこで勉強してくれないという相談を受けることがあります。
なぜ子どもは子ども部屋で勉強したがらないのでしょう。
リビングにいたがるというのは、家族と一緒にいたいのです。
何も無理して、子ども部屋に入れることはないでしょう。

もう少し詳しく言いますと、特に低学年の間は宿題をする時、子どもは不安なのです。
わからないことがあると宿題が進みません。
低学年だから、自分で調べるということもできません。
誰かに頼りたいという気持ちが強いのです。
だから、リビングにいたがったりするのでわけです。

学校の勉強はだんだん難しくなります。
そうなると今度は親が教えられないと不安になったりするかもしれません。
しかし、大丈夫です。
こりゃもう親には頼れないと子どもが思い、どうするかを考えるようになります。
親としては、「これからは学校の先生の言うことをよく聞いてね」と言ってあげて下さい。
子どもは覚悟を決めるきっかけとなるでしょう。

それまで、親としてやってほしいことは、やればできるということや、がんばったことを認めてあげること。
ついつい理解できないことを気にして、感情的になる場合もあるでしょうが、ゆっくり繰り返し教えてあげることです。

意外といいのは、同じ説明を繰り返すことです。
逆によくないのは、いろいろと言い方を変えることです。
子どもはひとつひとつの言葉を理解しながら、全体を理解しようとします。
分かり易いようにと言い方を変えてしまうと、言葉を多く知らない子どもはかえって困ってしまうものです。
むしろ、解説する時、ひとつひとつの言葉がわかっているか、確認してやると、全体がわからないのではなく、ひとつの言葉の意味がわからず、結果的に全体がわからないという場合も多いのです。
それをチェックすることで、子どもはどこでつまずいているかが見えてくるのです。

子どもが伸びる百ます計算のさせ方

百ます計算は、今やヨ-ロッパやアメリカ、アジアなど、世界に広まりつつあります。
予想以上の動きに私も驚いています。

その百ます計算にも、子どもを伸ばすさせ方にはコツがあります。
それは、‘させる側’がもっとも楽をすることです。
つまり、問題の並びを変えずに、まったく同じ問題をやらせることです。
そんないい加減なことでいいのかと思われるかもしれません。
しかし、それでいいのです。

私は昔、毎日問題の並びを変えて子どもにさせていました。
しかし、だんだん忙しくなり、毎日別の並びの問題を印刷する時間も取れなくなってきてしまいました。
やむを得ず、同じ問題でいいので、何日分かまとめて印刷するようにし、毎日同じ問題をやらせたのです。
当然、子どものタイムは毎日上がります。
子どもは喜びます。
やらせながら無責任にも、私はそれで計算力が上がるとは思っていませんでした。
ところが、ある日計算テストをやってみたところ、子どもの計算力はすごく上がっていたのです。
本当にびっくりしました。

私はこのことがきっかけで、百ます計算が単なる計算練習ではないことに気がつき始めました。
どうも‘速くする’ということが直接子どもを伸ばすことにつながるらしいと思えたのです。

だから、百ます計算を導入するときは、東京の杉渕鐵良先生が指導を得意とされている、十ます計算から始めるのが良いでしょう。
そうやって百ます計算の一列一列を十秒で、つまり一ます一秒でできるようにします。
そして、三十ますとか五十ますとかに増やしていくといいと思います。
私の「徹底反復百ます計算」にはグラフをつけてやる気を出すようになっていますが、毎日上がって毎日ほめられる経験をすれば、子どもの学習に対する意欲と自信をつけさせることができます。

もっとも、大前提となるのは毎日やることです。
たまにしかやらないと、当然速くはなりません。
やってもなかなか計算速くならないことを経験させれば、算数嫌いにもなりかねません。
効果的な指導法というものは当然あり、それを無視して伸びるはずはありません。
せっかく興味を持たれたなら、ぜひ‘正しいやり方’で、子どもを伸ばしていただきたいですね。

朝を制するものが、すべてを制する

私は朝型人間です。
朝5時くらいから原稿を書いている時が一番いい仕事ができるように思います。

なぜ朝がいいのでしょうか。
それは、しっかり眠った直後なので、脳の働きがもっともいいということがまず一番の理由です。
それに加え、道を走る車も少なく、日中よりは空気もきれいで、騒音も少ない。
電話もかかってこない。
さらに、日本では朝一番に新聞が届く。
夜に比べれば、知的な活動がやりやすい条件が整っていると言えるでしょう。

そんな良い条件が揃っているなら、朝型へ生活を変えない手はありません。
子育てのなかでも、可能な活動を夜から朝へ変えてはいかがでしょうか。

そして、朝に一番やってほしいことは、音読です。
姿勢を正し、腹からしっかり声を出す。
声を出すということは、朝でなくても人間を元気にします。
高校野球などで、大逆転勝利を遂げるチームは概してよく声が出ています。
この音読の効果を朝に持ってくれば、強力な力が発揮されるに違いありません。

長く私を取材されている方は、生活を朝型に切り換えられる方が多いです。
脳がよく働いている上に、余分な仕事も割り込んでこず(マスコミ各社では午後になって活動が活発になることが多いようです)、結果的に退社時刻が早くなるだけでなく、残業も減ったという話を良く聞きます。
また、付き合いの長いある新聞記者さんは、「陰山さんや陰山さんのかかわる学校の取材をすると、生活を朝型にしたくなるんだよ。なんか、本当にわが子ば伸びるように思えるんだよね。私の家庭でもやってみた。そして子どもが伸びた。私自身も、こういう仕事をしているが、努めて朝型にするように努力をしてみた。そうすると仕事がはかどるようになったんだ」と話してくれました。

政治家や財界では朝食会というものが流行っているとのことです。
朝が重要だということを知っている方が多いからなのかもしれませんね。

小学生は、2時間半以上勉強しない方が学力は伸びる

 先日、モジュール授業を取り入れています、山陽小野田市に行ってきました。山陽小野田市では、小学校はもちろんのこと、中学校でもモジュール授業を取り入れています。すでに、子どもたちに元気が出てきて、授業に向かう態度が非常に良くなってきたことが、報告されています。
 山陽小野田市の教育長、江澤さんは、もともとの職業が物理学者であり、しかも、データ分析の専門家です。ですので、今までの様々な子どもたちのデータに、専門的な分析を入れていただきました。そのご尽力のおかげで、今まで学級担任をやっていて、うすうす気がついているのだが、実証されていないことが、かなり数値的にデータ化されました。驚いたのは、なんと、2時間半以上勉強すると、勉強効率が良くなるどころか、かえって落ちてくることがはっきりわかりました。
テレビを見る時間を2時間までと考え、入浴・食事など生活の基本以外の時間を全て勉強に費やしたとします。このような、睡眠時間を削るまでの生活態度では、子どもたちの学力は伸びないと言えるデータなのです。もちろん、このデータだけで判断するのは危険です。しかしながら、分数が出来ない大学生が話題となり、一生懸命勉強しているはずの、いわゆる高偏差値大学の学生の学力低下が話題となった理由は、このようなデータによるのかな、と思いました。
 それでは、実際に何時間ぐらい家庭学習をすれば良いのか?岸本先生が言っておられた、『学年×20分を学習時間の目安とする』を参考にしてください。例えば、小学校高学年の場合だと、6(年)×20(分)=120(分)なので、だいたい2時間程度が一番良いということになります。このことからも、2時間半以上、学習した際の効率の悪さがわかります。
つまり、2時間の間で、いかに効率的に勉強を行うかが非常に大事であることがわかってきました。このことから、やはり昔から言われていたことが大切なのだと改めて実感しました。つまり、遅くまでTVやインターネットなどはせず、2時間しっかりと勉強をしたら、あとは十分な睡眠をとる。すなわち、 “早寝早起き朝ごはん”につながります。
また、このようなことも、講演などで、皆さんにお話できればなと思います。


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