これからの日本人に望まれるものとは
ずいぶんブログの更新が出来ずにいました。申し訳なかったです。
4月に視察と講演で、ロンドンに行ってきました。
この渡航を通し、学力に関しての収穫ももちろんありましたが、その他の部分でも私の中で大きな変化がありました。それは国際化についてです。
日本人は、“国際化”というと、様々な良いイメージを持っている方が多いと思いますが、私が考えるそれとは、少し違うものなのです。
ロンドンへ行ってみると、元々のイギリス人ではない方がたくさんいて、場所によっては、他の国から来た人の方が多いぐらいの状態になっていました。東京や大阪でこのような、住んでいる人が日本人より外国人の方が多いという状態になることは考えられるでしょうか?しかし考えられないことではありません。
元々日本というのは、アジアの端にある島国です。だからこそ価値観というものがそれほど大きく違わずにやってこれて、安定し、豊かさを維持してきたわけです。今後、この豊かさを継続しようと思えば、子どもの数が減っている以上、多くの外国の方に来ていただくとか、あるいは、日本人が出て行くということをしなければいけないと思います。
突き詰めて感じたことは、混乱するけれども豊かさを目指す、あるいは、貧しくなっても安定を目指す。おそらく、日本の長い将来を考えたとき、その両極端のどちらかに落ちていくことになってくるでしょう。その時、今の日本人の良くないところは、全てがうまくいく方法がどこかにあると考え、「あーでもない。こーでもない。」と、いつまでもその方法を探し続け、どうすべきか的確な決断が遅れることです。
そうではなく、自分自身をよく見つめ、どういう問題なら飲み込めて、前に進むことができるのか。そのように考えていくことが、これからの日本人に望まれるのではないかと思います。
2008年05月21日
個々人の能力を伸ばすことが大切
前回のブログにも少し触れましたが、精神科医の和田秀樹さんが監修されている、緑鐵受験指導ゼミナールと協力して、地方の公立高校でも頑張れば東大に入れるという、ドラゴン桜の地方高校編のような取り組みを行ってきました。相手方の高校にも配慮し、高校名は伏せますが、東京大学・京都大学・大阪大学・岡山大学・鳥取大学などの合格実績が出てきています。
私は、その緑鐵受験指導ゼミナールの通信教育を非常に評価しています。なぜかと言うと、一般の通信教育というのは、カリキュラムを中心にして、“こういう問題が出るからこれをしよう”というものが多いのに対し、和田さんの通信教育というのは、実際に東大の学生を講師として採用し、彼らの実際の経験に基づきながら、生徒一人ひとりの力をどう高めるのか、という能力主義に立って指導している点が良いと感じています。
私の分野である初等教育とはまた別の分野の、入試の話ということで、「なぜそんな話をするの?」と思われるかもしれませんが、実は重要なことなのです。
日本の学校教育は、指導要領を学習計画のように活用し、その枠組みにそって授業をするように教師は考えています。しかし、私にとって指導要領というのは、目標なのです。ですから、その課題をこなすためには子どもにどのような力をつけるかというように、子ども一人ひとりの能力や可能性を伸ばすことを重視しているのです。
つまり教育課程中心の指導ではなく、子どもの能力中心の指導なのです。こうした違いは、学校に限らず、塾などにもあります。私は、個々人の能力を伸ばすことが必要であり、個別指導が大事といってもその視点がなければ成功しないと考えているのです。
2008年03月17日
その子にふさわしい指導を
今日、東大の合格発表がありました。
私は以前より“地方の公立高校からも東大に合格することが出来る”、やはりそこのところは大事にしたいな、という気持ちがありました。そこで、精神科医の和田秀樹さんの協力を得ながら、和田さんの事務所と高知県の公立高校、そして私の自宅とをテレビ会議でつないで、受験生の受験サポートをしてきました。
そこの高校から、1名東大合格者がでました。他には大阪大学、岡山大学薬学部にも合格者が出たようです。高知の場合には、私立の中高一貫高校が受験に非常に有利なのですが、そうした中で公立の復建というのが出来たように思います。
大切なのは、公立か私立なのかと言うのではなくて、“その子にふさわしい指導があるかどうか”、ということだろうと思います。今何を学ばなくてはいけないのかと言うことを学ぶ人であって欲しいなと思います。
2008年03月10日
モジュ-ル授業の可能性
前回のブログで報告しました、安倍前首相の土堂小学校視察の際、山陽小野田市から江澤教育長さんを招いて、この授業の特色について説明をしていただきました。山陽小野田市は、山口県の小さな地方都市ですが、全部の小学校の全学級に一昨年の春から土堂小学校形式の授業を取り入れていただいたのです。この全市一斉の実践は、画期的な意味があります。それは、この授業に陰山がいてこそ指導できる特別なものではなく、いつでもどこでも誰にでもできる汎用性のある授業であることを実証する意味があったことです。
また、この実践は、江澤教育長さんが中心になることで、もうひとつ重要な意味が加わったのです。それは、この実践の科学的分析が可能になったことです。これは、私が望んではいても、なかなかできないことでした。なぜ、それが可能になったか、実はこの江澤教育長さんはもともと物理学者で、教育長になる前は、地元の大学で物理学の教授をやっておられた方なのです。
この実践について語ると、それでもう一冊の本ができてしまいますし、事実今準備中です。そこで、ここでは重要なことをひとつだけ書いておきます。
それは、百ます計算のようなことを毎日指導していると、思考力は落ちてくるというようなことがまことしやかに言われることが多いのですが、山陽小野田市の実践分析からは、モジュ-ル授業によってもっとも伸びてくるのは思考力であるという結果がまとまってきていることです。これは、知能検査の因子分析から導かれてきた結果です。
モジュ-ル授業を指導すれば、短期間で劇的な知能指数の上昇が起き、結果的に短期間に学力向上を実現するというのが、確認されていることですが、何とその学力向上を支えているのは、知能の向上でも思考力の部分だというのです。
モジュ-ル授業の実践をやっていると、確かに算数の学力テストでも思考力部分の伸びが顕著です。ただ、その理由がわからなかったのです。それで、私はモジュ-ル授業をやると計算力が高まり、その分多くの文章問題などの思考問題に取り組むことができるからと思っていたのです。しかし、そうではなく、思考力を伸ばす働きがあるということが分析の結果わかってきたのです。
何カ月か前に、ある週刊誌に食品の偽装にからめて、百ます計算などの流行によって、子どもたちの思考力が落ちてきているという学者さんの批判記事が出ていました。私は、内容的に事実誤認があると思っていましたが、こうした批判の仕方は何回も何回も出てきていることですし、その一方で学力向上の実践結果もあるわけですから、反論の必要もないと思ってきました。しかし、こうした分析の結果が出てきたことで、私たちも自信をもって、百ます計算で思考力が落ちることはないと言えるようになったのです。
2008年03月10日
安倍晋三氏を土堂小学校に招いて
2月25日に、安倍前首相を土堂小学校にお招きしました。土堂小学校と尾道市・尾道市教育委員会にはいろいろとお世話になりました。ありがとうございました。
教育再生会議の中で、私は何度か土堂小学校のことをお話ししており、安倍前首相も一度視察したいとおっしゃっておられました。しかし、いろいろな経緯でそれが実現されないまま、総理をお辞めになったわけです。
私は、それが何とも残念でした。それで、昨年末に土堂小学校を視察されたらどうかと思いついたのです。ただ、体調のことが不安でしたので、なかなか言い出せませんでした。しかし、文藝春秋に手記が発表され、いけそうだという感触を持ったので、ご案内のお手紙を差し上げたのです。しばらくお返事はありませんでしたが、ある日突然、私の携帯に電話がかかってきたのです。「安倍晋三ですが、・・・。」と言われ、びっくりしましたが、それからことはとんとん拍子に進んでいったのです。
当日は快晴、とても尾道らしい雰囲気の中で、視察をしていただくことができました。まず、松原校長先生から学校についての説明を聞かれ、4時間目に全学年のモジュ-ル授業を視察していただきました。土堂小学校の子どもたちも年度末であり、モジュ-ル授業も合唱も土堂っ子太鼓も完璧に仕上がっており、実に有意義な視察をしていただくことができました。子どもたちに、すごいねえと声をかけられながら視察されていました。土堂小学校や尾道の町から、本当にエネルギ-を受け取っていただいたなという気がしました。また、お昼の給食が実においしいとほめておられました。そうなんです。土堂小学校は給食もおいしいのです。
午後からは、山陽小野田市の江澤教育長さんから、山陽小野田市のモジュ-ル授業の実践分析を通じて、この授業がいかに画期的なものであるかという理由を聞いていただきました。マスコミのインタビュ-に答えられる中で、この実践が広がることを期待されるという言葉をいただき、うれしく思いました。
元気な子どもたちの活動に触れると、大人たちも子どもたちから元気をもらうことができます。安倍前首相の、久しぶりに生き生きとした表情を見せていただき、私としてもうれしく思いました。
おもしろかったのはマスコミからの取材でした。というのは、視察は安倍前首相からの発案と思われ、「その政治的思惑は何でしょう?」なんて質問を私が受けたりしました。そうか、そういうふうに見えるものなんだなあと変に感心したのです。それで、「いや、私がお手紙でお誘いしたのです。」とお答えしました。もっと驚いたのは、視察の終わりころ、ある記者が「ここの選挙区は自民党の空白区ですから、これは陰山先生が立候補される準備ということでしょうか。」と突っ込んできたことです。そういえばここは、前回堀江貴文氏が立候補した選挙区ですから、話題性はあります。しかし、当然私は考えたこともありませんから、「そんなことあるわけないじゃないですか。」と答えました。思わず、「二万%ない。」と言う言葉が出そうになりましたが、どうも洒落にならない雰囲気もありましたから、やめておきました。
やはり、これほどの政治家が動くと、予想もしないことが次々とあるというのが終わってからの感想でした。私としては、ただ単に見ておいてほしかった、また子どもたちから元気をもらってほしかった、それだけだったのです。またひとつよい勉強をさせてもらいました。
2008年03月03日
新しい指導要領が出て感じること
ついに新しい指導要領が出ました。新聞各紙いろいろな論評がなされていますが、みなさんはどう感じられましたか。今回の改訂に対する私が考える位置づけは、今の指導要領の問題点を整理したというものです。
その一番の特色は、基礎基本の再構築です。日本の教育にける最大の特色は、指導要領によって日本全体の教育内容をまとめ、効率的に学習を進める点にあると私は考えています。いろいろと指導要領の問題点を指摘してきているので、何を今さらと思われるかもしれませんが、日本の指導要領のシステムは、他国のカリキュラムに比べて緻密に作られており、他国に比べてよくできています。
近年、韓国、中国、アメリカ、イギリス、フィンランドなどの国を視察したり、海外の教科書を集めたりして、思ったことです。
ただ、この緻密さが、今の指導要領の改訂のとき、あまりにも大胆に改訂し過ぎて、その最大の長所である基礎基本というものを崩してしまったのです。ですから、今回はこれを再構築し、再び着実な学力向上に結びつけようとしているのです。
では、このできあがった指導要領案をどう評価するかということですが、確かに過密な内容になったなというのが率直な印象です。今回の改訂では、生きる力を育てるという現行指導要領を生かすことと、基礎基本の再構築という両方を意識しました。ですから、現行の指導要領の内容をそのまま残し、そこに前回の改訂時に削除されていたものを復活させ、さらに英語学習など新しいものを入れましたから、過密になっているのは当然です。正直なところ、これが現場で実施されると、混乱は避けられないと思います。今回の改訂について文部科学省の方々から、「大丈夫です。」みたいな発言が出ていますが、楽観論は持つべきではないと思います。
ただ、私が思うのは、混乱するから悪いというのではなく、混乱をどう修正するかが課題だということです。
何でもそうですが、新しいことをすれば、混乱するのは当然のことです。しかし、どうそれを軌道修正し、どう安定的に運用するかみな考えます。しかし、指導要領を作るシステムは大きくなりすぎ、議論ばかりが肥大し、現場での課題をフィ-ドバックするシステムがありません。03年に、指導要領は毎年見直すという建前になりましたが、実質的にはそうなっていません。今のシステムでは無理だと思います。この十年に一回改訂するという大前提を転換しない限り、新しい指導要領の実施に伴う混乱を収拾するには時間がかかってしまいます。
しかし、指導要領作りのシステムが肥大化したのには理由があるように思います。何の意味もなく、肥大化したのではないでしょう。それは、歴史問題に象徴されるように、教育は国内での対立が起こりやすい分野であり、そうした対立を和らげるために、十分な手だてが必要だからです。今回も、道徳の教科化を巡り、教育再生会議と中教審の意見が異なりましたが、両方の委員をしている私としては、正直困りました。
心の教育をしっかりやろうということに、異論のある人はいないでしょう。しかし、教育は、人によって思い入れが強く、ちょっとした違いが肥大化してしまうのです。
でも、対立しやすい分野は歴史や道徳など、限定的です。理数系の教科などは、指導要領の方針と現場の実態を実証的に見ていけば、それほどの対立がなく解決していくことは可能と思います。ですから、対立しやすい分野と実証的に修正できる分野を切り分け、合理的にスピ-ディに解決するしかけを作ることができればいいと私は考えてきました。そのために、私は教育再生会議で、専門家集団である教育院を作る必要性を訴えたのです。しかし、こうした問題意識はそれほど多くの人が持っているわけではありませんので、先行きを心配しています。
今回の報道を見ても、つめこみに戻るのかどうかという内容に対する評価が多く、システムについて論及するものはほとんどありませんでした。私は、学習量が多いか少ないかは、相対的なものだと思います。やるべき学習はやらなくてはいけません。うまく理解できない子がいれば、そうした子をどう支援するかが課題であって、できない子がいるから、カリキュラム全体のレベルを下げるというのは、まったく見当違いのことです。
学習内容は教育の目的に対応したものであるかというのが一番の判断基準ではないかと私は考えます。そして、多少難しくても、それを教えるためにどうするかを、私は考えてきたし、そうするのが現場の責任ではないかと思います。
現代社会は高度な文明と大量のエネルギ-を使って支えられています。その結果、世界中で生産されたものを使って私たちは生活しています。ですから、こうした時代の学習が簡単なもので済まされることにはならないと私は思うのです。つまり、たいへんだけどやっていくしかないと考えるのです。新しい指導要領のもとでは、1割の時間増でこれだけ内容を増やしているわけですから、楽なはずはありません。そうなると、学習条件が次の課題になってきます。つまり、この指導要領の具体的実施に当たっては、教職員の増員や教育方法の改善、教育機器の整備なども並行する必要があると思うのです。
そういうこともせずに、この増えた学習を現場の努力のみに頼って達成しようとすると、混乱しかもたらさない危険性もあります。
教育内容が過密であるかどうかは、こうした学習環境と一体で見ていく視点を国民全体で共有してもらうことが必要だろうと思っています。
2008年02月20日
教育再生会議を終えて
少し前になりましたが、教育再生会議が終了しました。
最後の会議は、会議というより、報告書を福田総理に手渡すセレモニ-であったように感じました。1年4カ月の会議であるにもかかわらず、この間にあった激動を思うと、大きな峠をみんなで乗り越えたというような実感がします。人選については、冒頭からいろいろな意見がありましたが、こうしたことでなければ、お会いすることもない方ばかりの集団でした。それが、最後にはある種の連帯感が芽生えたように感じられました。政治への転職やそれにともなう委員の入れ替えなどもあり、会議自体が激動でした。そのためか、会議のあとの懇親会では、ほっとした空気が流れたのはその象徴だったのだろうと思います。
最終報告書を読み、もちろん納得がいかないという人も多いと思います。とりわけ、現場教師には多いでしょう。時々、「あなたはあれに納得しているか」と、私の講演会で私に詰め寄る人もいるくらいでした。
確かにそうでしょう。教員免許の更新制にしても、あの会議の場で唯一私だけが更新を受ける立場の人間でした。当事者になれば、思いが違ってくるのは当たり前です。特に会議がスタートしてからの前半は、叫びたくなるような気持ちになったことが度々ありました。しかし、それがなかなか言えずにいました。残念なことですが、学校に対する信頼がまだまだ十分ではないからこそ、私が苦しんだ結果となったのかもしれません。
確かに今の学校はよくやっていると思います。そこを社会が十分に理解していないと思います。この、社会が理解していない最大の理由は、学校が現状をしっかり伝える努力をしていないことから生じていると思います。私は、国際調査の結果や指導要領の本当の問題点について訴え、理解を求めました。具体的な事実を示し、それを改善する努力を会議の進行と並行して進めました。山陽小野田市や八幡市の先生方には、そのために1年で数値になる答えを求めました。結果、学力低下と生活習慣の崩れの関係を実証するデータがそろいました。その現場の努力は審議の速さに負けなかったと思います。こうして、子どもの伸びる姿と、実証的なデ-タを提示することで、ずいぶん理解をしてもらったと思います。しばらく前にあった過激な改革論は少し静まり、もう一度現場の動きを見ようという流れになりました。
そして、学校をよくするには問題のある教師を批判するより、頑張っている教師を支えることだというように流れは変わってきました。さらに、現場の無意味な多忙も問題にされ、事務量の削減の流れも固まってきました。そして、マスコミや政府からも、現場を支援しようとする声が聞かれるようになってきました。ある知人の教師は、「教師バッシングが減ってきたけれど、これは本物だろうか」と言っていました。自分なりの努力がひとつ報われたのかなと、会議からの帰りに、ひとり思いました。
ただ、これらの結果が出せたのも、もちろん自分一人の力ではありません。いろいろな人の協力があったからこそ、出来たことなのです。そんな皆さんに、心から感謝します。
最後に、ひとつだけ言わせてください。教育再生会議の中で、私は確かに、考えていること、伝えたいことを、言いたいように言ってきましたが、あの会議の中で発言することにはかなりの勇気がいりました。こう言うと、苦笑する人もいるでしょうが、本当に一回一回緊張していました。会議で何を言うかを考え、眠れない日もありました。
何はともあれ、私の予定表から“教育再生会議”という文字がなくなりました。中教審などまだ重要な会議もあるので、束の間のことなのかもしれないが、やはりほっとしています。
2008年02月13日
橋下弁護士の当選を受けて
橋下弁護士が大阪府知事選挙で当選されました。それもすごい大差をつけての当選でした。
私は、「子どもが笑う」というスロ-ガンが受け入れられたことを嬉しく思います。橋下さんとは、一度だけ番組で一緒になったことがあります。控室でも、画面と同じでまったく飾らないところに、とても好感を持ちました。
昨日たまたまテレビをつけましたら、「行列のできる法律相談所」という番組をやっていました。録画なのでしょう。そこには、橋下弁護士も出ていました。良かったのは、「子育ては素晴らしい。」というコンセプトで番組をやっていたことです。この番組は確かにおもしろいですが、時々やりすぎだと思うような場面もあります。だから、素直にいい番組と思えないこともありました。でも、昨日見たような番組内容ならば、もっとやって欲しいと思います。子育てがリスクばかりみたいに思わせることを、吹き飛ばしてくれるでしょう。子どもがいてくれる喜びが、大阪といわず、日本全体に広まってほしいと思います。
そういえば、長く教育は票にならないみたいなことが言われてきました。しかし最近はそうではなくなってきたように感じます。教育再生会議のように、政策の一番に上がってくることも普通になってきました。その点では、現場教師が本当に頑張らなければならない正念場を迎えているように思えます。
2008年01月28日
今年の目標
遅くなりましたが、今年初めての記事です。
今年もよろしくお願いします。昨年までは、教育再生会議に出ている関係もあり、情報発信をしすぎて、誤解を招くといけないので慎重にしていましたが、今年はしっかり情報発信したいと思っています。
今年は、現場での実践に新しい展開を付け加えて行きたいと思っています。
まず、立命館小学校では、新しい教材による新しい教育課程を始めます。内容の薄くなった教科書だけでは、グロ-バル化すべき教育内容としては不十分です。ですから、検定教科書への提案という意味で、陰山版教科書というべきものを、立命館小学校の先生と学研の協力を得て作りました。内容は、日本地理、日本歴史、小学校算数の三冊です。そして、立命館小学校の教材として活用していきます。
なぜ教科書かというと、音読で子どもを伸ばすという私の手法を生かすには、きちんと説明された教材が必要だと考えているからです。参考書は、必要事項をまとめていますが、それらのつながりの理解は、学習者の能力に委ねられています。しかし、基礎学習はそうした基礎的な理解が重要ですから、しっかり説明されている文章が必要なのです。私は、現場にいるとき、教科書の文章がまずいと思ったときは、重要事項をまとめて説明文を作り、それを音読させていました。欧米の教科書もたいへん分厚い本になっていますが、何度も読んでしっかり理解させることを目指しているからです。私は、欧米人が論理に強い理由は、しっかり読み込むためのこの教科書で学習していることが、ひとつの理由だと考えています。また、日本でもそう考える方も多く、最近は何種類かの検定外教科書が話題になっていますが、それはそういう理由ではないかと思います。
この教材の次の意味は、新しい指導要領への接続ということです。新しい指導要領では、復活する教材や新しく入る教材が多くありますが、それが実際に学校で指導されるようになるのは3年後です。私が心配しているのは、そうなると現在の小学校の高学年や中学の子どもたちは、学習内容の少ない教育課程で学習する最後の子どもたちとなり、実社会に出たときなどに不利になることも考えられます。文部科学省は、新しい教育課程をできるところから前倒して指導すると言っていますが、やはり十分なものにはなりにくいでしょう。
もうひとつ重要なことがあります。それは、中学入試の基礎づくり教材として使われることを意識したことです。中学入試については、私はふたつ心配していることがあります。それは、まず生活習慣を崩すような学習の仕方になってはいけないということ、難問が出てくるのは仕方ないにしても、そのための基礎基本の力と理解をしっかり身につけておいてほしいということです。現在では、指導要領が削られ過ぎているため、教科書の内容が完全に理解できていたとしても、高度な学習をしていくための基礎基本の力としては不十分です。そうした高度な学習をしていくための基礎の教材としても十分な内容になるよう、学研の担当者とも打ち合わせて作ってきました。
それぞれの本の、具体的な内容については、出版のときに解説しようと思います。
2008年01月21日
『第2回 学力向上セミナー』を終えて
12月23日は、第2回学力向上セミナ-でした。
連休の真ん中ということで、参加者がどうなるか心配しましたが、多くの参加者があり、盛況でした。発表をしてくださった方々、講師のみなさん、また多くの参加者のみなさん、本当にありがとうございました。
今回のセミナーは、新しい指導要領の全体像が明かになったことや、PISAの学力テストの結果がわかったことなどから、学力低下問題においても新しい段階に向けて動かなければならないという状況を受け提起したものです。
私からは、教育再生会議でわかったことや指導要領が変わることで、学校はどうか変わることが求められているか、そのことをお話ししました。「生々しい話で、とても参考になった。」という声が多く聞かれました。
セミナーの進行中に思ったのですが、次回からは一般の保護者の方にも参加していただこうと思いました。生き生きとして発表していただいている教師の姿は、一般の保護者のみなさんに見ていただいても、わが子の子育てにもとても参考になると思われます。また、最先端の教育情報に関心をお持ちの方も多くおられるからです。
次のイベントは、東京です。
教育ウィンタ-セミナ-
・日時:1月12日(土)9時45分~16時45分
・場所:東京都江戸川区総合文化センタ-
詳しくはこちらを見てください。
http://edublog.jp/jd-n/archive/86
再生会議が始まりましたし、審議会への参加も多く、今年は東京で仕事をすることが多かったです。このような雲の上での仕事が多かったのですが、やはり現場での仕事の重要性を感じます。地面に足をつけた仕事から離れていると、知らぬ間に慢心することだって出てくるかもしれません。新しい指導要領では、私のやってきた仕事が活かされることが多くなっています。その責任の重さを考え、来年は初心に戻って、現場に近いところで踏ん張りたいと思います。また、目立つ仕事をしているときは、批判が吹き出てきやすいものです。ですから意図的に情報発信は少なめにしていました。しかし、これも情報の重要性を考え、このサイトを中心に、有益な情報を発信しながら、しっかりみなさんと交流していきたいと思います。
みなさんよいお年をお迎えください。
2007年12月27日

