陰山ブログ

地理の教科書の実態を見て

 数日前、ある兵庫県の中学校におじゃましました。
 そこで久しぶりに、地理の教科書を見せてもらいました。何とトップペ-ジには、アトムの漫画がありました。アトムが、「なぜ、地理を学習するのか?」というものを読み手である学生に語りかける内容だったのですが、あまりにも空虚な内容で絶句してしまいました。
 手塚治虫氏の漫画は、大人のテ-マの格調高さをそのままに残して、楽しませてくれました。シュマリという、明治維新を描いた漫画は、今もたまに出して読むお気に入りの本になっているぐらいです。天国の手塚治虫氏は、この現在の風景をどんな気持ちで見ているのだろうと、ふと考えてしまいました。
 一方、以前見せてもらった、別の会社の教科書は、漫画などない、ある程度まともな内容のものでした。
 このように、同じ地理の教科書であっても、その内容に差があるのが現実なのです。教科書の部分改訂がなされたとき、内容がよくなったものと、そうでなくなったものとに分かれた結果なのでしょうか。
 これは私の推測ですが、漫画が載っている教科書を作った人のプライドは、傷ついているのではないでしょうか。
 こうした教科書があと何年か残るのかと思うと、いたたまれない気持ちになります。