陰山ブログ

安倍晋三氏を土堂小学校に招いて

2月25日に、安倍前首相を土堂小学校にお招きしました。土堂小学校と尾道市・尾道市教育委員会にはいろいろとお世話になりました。ありがとうございました。
教育再生会議の中で、私は何度か土堂小学校のことをお話ししており、安倍前首相も一度視察したいとおっしゃっておられました。しかし、いろいろな経緯でそれが実現されないまま、総理をお辞めになったわけです。
私は、それが何とも残念でした。それで、昨年末に土堂小学校を視察されたらどうかと思いついたのです。ただ、体調のことが不安でしたので、なかなか言い出せませんでした。しかし、文藝春秋に手記が発表され、いけそうだという感触を持ったので、ご案内のお手紙を差し上げたのです。しばらくお返事はありませんでしたが、ある日突然、私の携帯に電話がかかってきたのです。「安倍晋三ですが、・・・。」と言われ、びっくりしましたが、それからことはとんとん拍子に進んでいったのです。
当日は快晴、とても尾道らしい雰囲気の中で、視察をしていただくことができました。まず、松原校長先生から学校についての説明を聞かれ、4時間目に全学年のモジュ-ル授業を視察していただきました。土堂小学校の子どもたちも年度末であり、モジュ-ル授業も合唱も土堂っ子太鼓も完璧に仕上がっており、実に有意義な視察をしていただくことができました。子どもたちに、すごいねえと声をかけられながら視察されていました。土堂小学校や尾道の町から、本当にエネルギ-を受け取っていただいたなという気がしました。また、お昼の給食が実においしいとほめておられました。そうなんです。土堂小学校は給食もおいしいのです。

午後からは、山陽小野田市の江澤教育長さんから、山陽小野田市のモジュ-ル授業の実践分析を通じて、この授業がいかに画期的なものであるかという理由を聞いていただきました。マスコミのインタビュ-に答えられる中で、この実践が広がることを期待されるという言葉をいただき、うれしく思いました。

元気な子どもたちの活動に触れると、大人たちも子どもたちから元気をもらうことができます。安倍前首相の、久しぶりに生き生きとした表情を見せていただき、私としてもうれしく思いました。
おもしろかったのはマスコミからの取材でした。というのは、視察は安倍前首相からの発案と思われ、「その政治的思惑は何でしょう?」なんて質問を私が受けたりしました。そうか、そういうふうに見えるものなんだなあと変に感心したのです。それで、「いや、私がお手紙でお誘いしたのです。」とお答えしました。もっと驚いたのは、視察の終わりころ、ある記者が「ここの選挙区は自民党の空白区ですから、これは陰山先生が立候補される準備ということでしょうか。」と突っ込んできたことです。そういえばここは、前回堀江貴文氏が立候補した選挙区ですから、話題性はあります。しかし、当然私は考えたこともありませんから、「そんなことあるわけないじゃないですか。」と答えました。思わず、「二万%ない。」と言う言葉が出そうになりましたが、どうも洒落にならない雰囲気もありましたから、やめておきました。
やはり、これほどの政治家が動くと、予想もしないことが次々とあるというのが終わってからの感想でした。私としては、ただ単に見ておいてほしかった、また子どもたちから元気をもらってほしかった、それだけだったのです。またひとつよい勉強をさせてもらいました。