久しぶりに、映画作家の大林宣彦さんとお会いし、楽しく食事をしてきました。
大林監督が、広島県尾道市の土堂小学校の卒業生ということは、ご存知の方も多いと思います。そのご縁もあって、過去に何度かお話させていただきました。
我々の近況報告をしつつ、話しの中心は、やはり尾道のことになりました。
私が、大林監督との会話の中で一番嬉しかったことは、「土堂小学校の子どもたちが、本当に子どもらしく、素晴らしく成長しているのが、ものすごく嬉しかった。」と、言っていただいたことです。
また、大林監督が今度、尾道に自分の記念館を作られる計画があるようです。「その時には、陰山先生も協力してくださいね。」とお願いされ、私は、「喜んでしますよ。」ということも約束してきました。
さて、尾道という町は、“坂の町”と言われるほど、坂が多く、斜面に建物が密集して立ち並んでいます。そのため、建物を新しく立て替えることが難しくなっています。しかし、その建物が良い味をかもし出し、町全体が、何か懐かしい感じを演出してくれています。そして、歴史を感じる寺が多くあります。また、斜面のふもとには、瀬戸内海が広がりっています。
私はこの風景を思い出し、ふとヨーロッパに行った時のことを思い出しました。
ヨーロッパの町並みというのは、古く、小粋な車がよく似合い、真っ赤な車なんかが、おしゃれに馴染んでいたのを思い出しました。日本には、そんな車が似合う町は、多くはないですが、「尾道には似合うなぁ・・・。」と、感じました。
一方で尾道は、新幹線が止まり、東西南北に高速道路も通っています。空港も近くにあり、成田空港への直行便も出ています。そういう点で尾道は、日本中に開けた土地柄だと思います。
このような尾道の近代性についても話していたのですが、1つの考えるべき課題が見えてきました。尾道も含め、各地で道路が多く整備されてきています。日本の道路というのは、アメリカ的発想で、交通の便を考えて、大きな道路を作りがちです。このような変化を見ていると、「道路1つと言えども、地域や風土に根ざした、小さくても、美しさを感じさせる道路作りも大切なのではないか。」と、意見しあいました。
大林監督との懇談で感じとったことは、「今の懐かしさを残しつつ、(高速道路や、空港のような)近代性と、(昔からある)古いものとを、うまくコーディネートできたら、尾道はもっと素晴らしい町になるだろうな。」ということです。
今は尾道に住んでいませんが、尾道にはまだ多くの人と付き合いが続いています。大林監督との懇談を通して、改めて、「これからも関わっていきたい町だな。」と強く感じました。
大林監督との懇談は短い時間でありましたが、私にとって有意義で、価値あるものでした。
余談になりますが、尾道が気になった方は、是非、大林監督の映画をチェックしてみてください。尾道でロケされた映画が多数あります。どれも良い映画ばかりなので、是非ご覧になってください。
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