数日前に、いじめの件数が昨年より6倍に増えたとの報道がされました。このような結果になったのは、今年、いじめの定義が変わったことによります。
これを受けて、マスコミ各社は、一斉にこのいじめ件数増加について報道し始めたことは、皆さんもご存知だと思います。その中で、いくつかの社説にも書かれていた文面が、私の目を引きました。それは、“いじめの件数を示す数値よりも、実際の指導の方が大事だ”というものです。指導に力を入れること。このことは、私が以前より気になっていたことです。
私の担任時代、子ども達の中でいじめが起きたことがありました。当たり前ですが、私は、なぜいじめが起きたのかを考えました。
結果として、いじめが起きる要因は多種多様でした。しかし、ある傾向が見えました。それは、“友だちと十分にコミュニケーションできにくい子が、いじめに遭いやすい”ということでした。
なぜなのか。それは、“いじめる側にも、そして、いじめられる側にも属さない、いわゆる中立な子”を見ていて気づきました。
中立な立場でいることで、しばしば「いじめの傍観者だ。」とも言われることもあります。確かにそうかもしれません。
しかし、中立な子というのは、コミュニケーションがとれ、自分の考えを相手に発信する力を持ち、人に対して優しくできる子が多いと感じています。そのような子は、まずいじめをしようと考えませんし、いじめられることはないでしょう。
ですから、いじめを減らす指導の1つとして、人の気持ちがわかり、なおかつ、自分自身の気持ちがしっかりと発信していける、すなわち、コミュニケーション能力を高める指導を日頃から取り入れることではないでしょうか。
また、いじめから身を守っていく指導も行っていくことも大事でしょう。
皆さんが、わが子のことで、いじめ問題を考えられるときに、参考にしていただければ嬉しく思います。
蛇足ですが、子ども達に、“学校は楽しいですか?”といったアンケートが文科省で実施されていたのを見たことがあります。その結果は、子ども達の8割が、学校は楽しいと答えていました。それ以来、いろんなところで、学校は楽しいのかという情報を、聞いたり見たりするのですが、文科省のアンケート結果のような傾向は、どこでも見られます。
この結果を見てもわかるように、親御さんは、お子さんのいじめ問題に対して、不安に陥ったり、あるいは、子どもを疑ってかかることが過度にならず、暖かく見守っていく視点を忘れないでいることも大事だと思います。
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