パネラ-でご参加いただいたのは経済産業省で育休を取ったことで話題になった山田正人さん、堀場製作所の社長の堀場厚さん、そして女優で京都出身の三田寛子さん、そして哲学者の山折哲雄さんでした。
山田さんは、奥さんとの話し合いの結果、中央の官僚でありながら、育休を取られました。やはり、いろいろな批判があったようです。しかし、子どもを育てていると、子どもに育てられている自分を感じると言われました。こうした言葉が多く聞かれるようになることを、教師としては願っています。
堀場社長さんは、さすがに企業のトップらしい提言でした。私は、成果主義の究極の形であるホワイトカラ-エグゼンプションに反対してました。なぜなら、合理的な給与カット法としか思えなかったからです。でも、今の残業時間によって算定される給与だとだらだらと遅くまで残っていることが、給与を上昇させることにつながります。確かにこれでいいはずはありません。堀場製作所は、週休三日の日があるという。それでいて、国際企業として急成長を実現させられています。日本の男の働き方について、もう一度考え直してみたいと考えるようになりました。
三田さんは、私たちにとっては、テレビの中でのアイドルでした。しかし、今は歌舞伎役者の方と結婚され、厳しい伝統芸能の継承にかかわっておられる。歌舞伎という伝統を受け継ぐには、家庭の親子であっても敬語を使う環境に戸惑われたらしいが、今はその伝統を守りながらも時代に合わせ新しい親子関係を追求しておられます。
山折先生は、自らの親子体験を語られ、戦後教育の中で、親子関係も、教師と子どもの関係も平等思想から、水平な関係となり、これが今の父親の存在感をうすいものにしていると指摘されました。このお考えを聞きながら、ある研究会で教師が、子どもに学校や教師の問題点を指摘させるということをやっていることを思い出しました。これでは、教えるということはできませんね。
結果として、わかったことは、結局父親が子どもに伝えるべきこととして重要なのは、人間としての基礎的な価値観や営みだということです。批判の多い現代は、子どもへの教えはとかく細かいが具体的なことになりがちです。でも、大切なのは人を大切にしろとか、時間を守ることがいかに大切かとか、生きていく上での原則のようなものを幼いころからしっかり教えることだということなのです。教育再生会議でも、道徳のことが話題になっていますが、まずこうした道徳の土台をしっかり家庭で教えることが大切なのだろうなと思いました。
次回は、もっといいコ-ディネ-タ-ができるよう、勉強しておきたいと思います。
パネラ-のみなさん、会場のみなさんありがとうございました。
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