陰山ブログ

京都21世紀教育創造フォ-ラムを終えてⅠ

京都21世紀教育創造フォ-ラムが終わりました。

私は、こんな大きな舞台でのコ-ディネ-タ-というのを初めて務めました。
自分の言いたいことだけを言えばいい講演とは違うため、思いはあったのですが、なかなかパネラ-の意見を引き出すのは難しかったです。ただ、個性的で意義のある意見をお持ちのパネラ-ばかりだったので、聞いている方にはそれなりに喜んでいただいたとは思いますが、もっと勉強しないといけませんね。

その主題を具体的に言えば「現代社会において父親は何を教えるべきか」というテ-マでした。
基調講演は、元全日本サッカ-監督の岡田武史さんでした。

基調講演では、修羅場を通り抜けてきた岡田監督でなけれは言えない父親論を語ってもらいました。
一言で言えば、苦労させることが必要だと言うこと。「監督をやめなければいけない場面もあった。しかし、そんなことはたいしたことではない。」と彼は言い切りました。皮肉屋が聞けば、負け惜しみに聞こえるかもしれないが、そうではありません。こう考えることは重要なことです。

なぜなら、失敗や批判を恐れていると何もできないからです。新しいことをやるのに、不具合が生じるのは当然のことです。失敗のない挑戦なんて、あり得ません。しかし、今の日本は、少々の失敗や不具合に対しても強烈な批判が来ます。あたかも完全な方法があるかのように語り、結果論としてああすべきだったとかこういうものだとか、勝手な評論が乱れ飛びます。やっかいなのは、その批判への対応に追われ、やるべきことができなくなることだってあります。だから、みんなは失敗しないように、余分な準備をして、なおかつ大胆なことはしなくなります。結果、何もやらなくなって、すべてが停滞してしまうのです。そして、停滞を批判します。

現代のトップの使命というのは、批判が起きないようにするのではなく、批判をかいくぐって大胆に進む決断でしょう。トップの仕事とは決断をすることだと言われた岡田さん。私は本当にそうだなと思いました。決断というのは、あれこれ考えても、着実な答はわからない。その環境の中で、それでも決断しないといけないとき、その判断の土台は勘です。岡田さんは私なんかとは比べ物にならないストレスの中で、仕事をされてきましたが、私と思ったことがほとんど同じだったのが何となくうれしく感じられました。
次回はパネルディスカッションの様子をご報告します。